2012年04月19日

平成23年事務職員能力認定試験第11問

第11問
民事保全の特色として誤っているものはどれか。
1 付随性
2 簡易迅速性
3 手続の公開
4 担保の提供

【正解】


【解説】
民事保全の特色として何を揚げるのかは書籍によって多少異なります。

1 訴訟手続は時間がかかります。訴訟継続中に債務者の財産がなくなったり、また権利関係が変わったりすると、せっかく時間と費用をかけて訴訟提起し勝訴したにもかかわらず、強制執行ができないという事態に陥ります。
このような事態を避けるために、権利を主張する債権者に暫定的に一定の権能や地位を認めるのが民事保全制度の存在意義なのです。
民事保全の付随性(従属性ともいいます。)とは、民事保全が本案判決又はその執行までの時間的ずれを補うための保全措置であることから、必然的に本案判決による権利関係の確定を予定していることをいい、債権者が、本案の起訴命令に反して本案を提起しない場合(民事保全法37条)や本案訴訟において債権者敗訴の判決が言い渡された場合(民事保全法38条)に、債務者は保全命令の取消を求めることができること等にこの付随性が表れています(「民事保全の実務新版増補版上」15頁)。

2 簡易迅速性は、民事保全制度の存在意義から当然の要請です。

3 民事保全法3条は、民事保全手続について口頭弁論を経ないですることができるとしており、手続の公開を当然には予定していません。

4 民事保全手続では債権者の言い分について証明も求めませんし(疎明で足ります。)、債務者の言い分を聞かない場合もあります。そうすると場合によっては債務者に著しい損害が生じる場合があります。そのような事態に備えて予め、債権者に担保を立てさせます。

posted by 弁護士宇野康枝 at 16:03| 東京 ☁| Comment(0) | 事務職員能力認定試験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月12日

平成23年事務職員能力認定試験第10問

第10問
証拠保全を申し立てる際の要件として正しいものはどれか。
1 本案訴訟がすでに提起されていること
2 保全の対象となる証拠が書証であること
3 裁判での証拠提出が困難となる事情があること
4 相手方が証拠の提示に応じないこと

【正解】


【解説】
証拠保全というのは、訴訟係属前又は係属後に、ある事実についての証拠をあらかじめ調べておき、事実認定に役立たせるための証拠調べです。よく実務で行われるのは病院のカルテを証拠保全することですね。

1 証拠保全を申し立てる管轄裁判所について、訴え提起前と訴え提起後と別々に規定されています(民事訴訟法235条1項、2項)。これは訴え提起前にも証拠保全の申立ができることが当然の前提となっています。実務的にも訴え提起前に証拠保全の申立てを行う方が一般的です。

2 証拠方法については、特に民事訴訟法で何ら制限されていませんので、書面に限定されません。理屈としては、要件を満たせば、証人尋問や当事者尋問も可能です。

3 証拠保全について、民事訴訟法234条は「あらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠を使用することが困難となる事情があると認めるとき」に可能であると定めています。したがって「3」が正解です。

4 証拠保全は相手方が任意の提示に応じない場合に限定されるものではありません。
posted by 弁護士宇野康枝 at 14:26| 東京 ☀| Comment(0) | 事務職員能力認定試験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月10日

平成23年事務職員能力認定試験第9問

第9問
支払督促について、正しいものはどれか。
1 支払督促発付前に当事者双方の審尋期日が指定される。
2 支払督促発付前に債権者の裁判官面談がある。
3 支払督促発付前に債務者からの書面による意見聴取がなされる。
4 書記官が書面審査にて支払督促を発付する。

【正解】


【解説】
支払督促は、債務者が債務の存在を争わないと思われる場合に、簡易迅速な手続で債務名義を取得するための手続です。民事訴訟法第7編に定められています。

1〜3 ちょっと条文を指摘して解説を書くのが書きづらいのですが、まず、債務者の審尋はありません(民事訴訟法386条1項。)。支払督促は書面審査だけで終わり、支払督促が発付されるまでは債務者は一切関与しません。また、裁判所書記官に申し立てるので、裁判官は関与しません。したがって、1〜3は不正解です。なお、「支払督促発付前に債権者の書記官面談がある。」ということもありません。

4 支払督促を発するのは裁判官ではなく書記官です(民事訴訟法382条)。新法になってから書記官の権限となりました。また、審尋がないことから書面審査のみで支払督促は発付されます。したがって、「4」が正解です。

posted by 弁護士宇野康枝 at 17:16| 東京 ☀| Comment(0) | 事務職員能力認定試験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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